ニホンウナギの一生

Anguilla japonica

研究結果は日々進歩していますが、謎の多い魚で長い間、繁殖地、稚魚の餌など全く分かっていませんでした、
研究が始まって40年以上たった今でも、商用では完全養殖は確立されていません。



ニホンウナギ【Anguilla japonica】は海で産卵します、産卵場所は日本列島から、はるか2500`南に下った、マリアナ海域のグアム島から北西部の海底山「スルガ海山」付近の水深約200m、産卵は夜11時過ぎから、数日に分けて行われているようです。

生まれた卵は浮上しながら、約30時間かけて孵化しレプトセファルス(葉形幼生)になります、親ウナギとは似ても似つかない姿をしています。
この頃の餌は、プランクトンの死骸やクラゲの糞、海中を漂う(マリンスノー)だと思われてます。

レプトセファルス(葉形幼生)は、北赤道海流に乗り→フィリピン沖で(黒潮)に乗りかえ、およそ半年かけて、日本や中国の沿岸までたどり着きます、その頃には【シラスウナギ】に成長していて、そのまま湾内、汽水域に留まる者、川を遡上する者に分かれます。


↑シラスウナギ

鰻ウナギは成長段階によって、【卵】→【レプトセファルス(葉形幼生)】→【シラスウナギ】→【クロコ】→【エンピツ】→【メソ】→【ウナギ】と呼び名が変わます、また海に下った鰻(ウナギ うなぎ)を【ギン】、【下り(ウナギ うなぎ)】、【アオ)】、海に住んでいる者を【海ウナギ】などとも呼びます、他に地方名で【坂東太郎】【ホシ】【クロ】などさまざまな呼び方がありますが、同一種です、タウナギ、ヤツメウナギは目から違い、全く別の魚です。

完全肉食性で、小魚や小動物を食べて成長します、
遡上組は5年〜10年を川、湖で過ごし体長1m以上に成長して海に下って、海流に逆らって、産卵場所である、スルガ海山まで泳いで行きます。

ウナギは雌雄同体で、川を遡上する頃は全てが雄、途中で雌に性転換する個体が出てきます。

昼間は、泥、砂の中、物陰に隠れて、じっとしています、夜になると餌を求めて活発に動き出し、甲殻類、水生昆虫、カエル、小魚などを捕食すします。




【生命力】
生命力が強く、1年半餌を食べなくても生きていると情報があります、
チーム鰻での実験では、虫おじさん宅で1012年5月24日から現在まで、餌無しで生存している個体が飼育されています。

【呼吸】
皮膚呼吸が出来る為、雨の日や、周囲が濡れている環境であれば、這って移動出来るので、完全に海と繋がっていない、池、沼、湖でも、居る場合があります、這って2,3`は移動出来るようです。

【嗅覚】
ウナギは鼻の穴が4つあり嗅覚が犬より鋭く、人間の10000000倍あります、少量のアミノ酸を感知して、餌を捕食します、ウナギ釣りには、アミノ酸の多い餌が有効です。

【視覚】
視覚は非常に弱く、嗅覚のみで餌を捕食するので、ウナギ釣りでは視覚的な工夫は必要ありません、ハリスをタコ糸にしても釣れる程です。

近年日本沿岸に辿り着くシラスウナギの漁獲量が激減していて、一説に気象変化で産卵場所が変わり、海流に乗れず、死滅回遊になっているのではと思われてます。







inserted by FC2 system