ウナギの飼育
天然鰻を釣ってきて小型である、泥抜き中に愛着が沸いた、ペットにしたいなど、食べずに飼育してみようという方達の為のページです!




【水槽の設置】

熱帯魚飼育での水槽は、上部フィルター式、内部フィルター式、オーバーフロー式がありますが、ウナギは脱走の名人です、想像もしない所から脱走するので、内部フィルター式にしてフタはガッチリした方がいいでしょう!
水面から距離があると脱走しずらいですよ。

水槽の大きさは大きいに越した事はありません、ウナギ同士のケンカも減るし、水質も安定します。





↑う〜たん水槽。

水槽の水は半分以下にして、脱走できないようにぴったりとした蓋をしてください。




【本水槽に入れる前に】
天然ウナギには、かなりの確率で寄生虫が寄生してます。
地域によって違いがあると思いますが、今まで管理人が釣ってきたウナギには100%の確率で寄生虫が付いてました!
アニサキス、ウキブクロセンチュウなど!

寄生虫以外にも、病原菌を持っている事があります。
その病原菌、寄生虫を落とす作業から!

この作業をおこたると、水槽内の他の魚に寄生虫が蔓延したり、病気になって死んでしまったりします。
本水槽とは別の水槽【トリートメントタンク】にマカライトグリーン、メチレンブルーなどの薬剤と一緒にウナギを入れて病原菌、寄生虫を落とします、マカライトグリーン、メチレンブルーはペットショップで購入出来ます、割合はパケージにしたがってください。

マカライトグリーンは観賞魚用で食用魚用ではありません、マカライトグリーンを使ったウナギは将来的に食べない方がいいでしょう、発癌性の疑いのある物質です(確率は0に近いが、国の基準です)。

マカライトグリーン、メチレンブルーに、1週間程漬けて本水槽に移します、本水槽の水も消毒済みの水
(煮沸消毒、一度60℃以上にしてから、常温に戻した水)
(カルキで消毒後、カルキを抜いた水)を入れてください。

本水槽に入れる前に水合せ、温度合せは必ずしてください、方法も当サイトに記載してます。


【PH】
ph6(弱酸性) ph7(中性) ph8(弱アルカリ性)が適正。
糞尿、食べ残しなどで酸性になりがちです、中性を保つなら、貝殻を焼却した物がオススメ!

メカニズムは、水質が酸化してくると、貝殻が少しずつ溶け出してきます、貝殻はアルカリ性の塊なので、溶けた分だけアルカリが出て中性に保ってくれます、酸化が治まると貝殻も溶け出さなくなるので常に中性です。


↑写真はカキ殻を焼却した物をネットに詰めた物です。






【水換え】

自然のサイクルでは、魚の糞尿、食べ残し、魚の死骸などは、他の生物、バクテリアなどによって分解除去されますが、川、湖、海など大きな水の中で行われているので、余程の事が無い限り水質が悪化する事は有りませんが、鑑賞魚用の水槽では狭いので、簡単に分解除去されません、狭い空間内で自然のサイクルを再現しなくてはいけません。

水槽内で、観賞魚の糞尿、エサの食べ残しを除去するのは、@物理濾過、A生物濾過です。
@物理濾過は、濾過フィルターによって目に見えるゴミを取り除きます。
A生物濾過は、濾過バクテリアによって、目に見えない汚れ、アンモニア、亜硝酸塩を無毒化させます。

@物理濾過は、設置後直ぐに機能します。
A生物濾過は、設置後、機能するのに1ヶ月〜2ヶ月かかります、海水飼育では3ヶ月〜4ヶ月。

濾過バクテリアとは魚の糞尿、エサの食べ残しを分解除去する、微生物の総称で何処にでも存在してます、みじかな物では、納豆菌、なども水の浄化能力があるとされてます。
魚の糞尿を、(アンモア)→(亜硝酸塩)→(硝酸塩)の順に換えます、
(硝酸塩)まで変わると無害ですが、(アンモニア)、(亜硝酸塩)は毒性が強く一定濃度を超えると魚が死にます。


濾過バクテリアを水槽内に定着させるのが理想ですが、定着するのに1ヶ月〜2ヶ月かかりますので、アンモニア濃度、亜硝酸塩濃度が危険レベルになったら、水換えをします!

アンモニア濃度などを計る事が出来ない場合は1週間に1度ペースで水換えをすればいいかと思います。
水換えは、一度に全ての水を変えるのでは無く、水半分とか3分の1とかを換えて、濾過フィルターの洗浄、砂の洗浄も日をずらす様にしてください、水槽内に濾過バクテリアを残す為です。

(アンモニア)濃度、(亜硝酸塩)濃度を測定する物がペットショップで販売されてます危険レベルになったら換水えしてください、夏場は直ぐに水が汚れます。

ペットショップで売っている濾過バクテリアの中には遺伝子操作で2代3代で死滅する物も販売されていますので注意してください。
濾過バクテリアは空気中に浮遊していますし、熱帯魚屋さんで売っている水草などにも付着しています、お金を出して購入する必要はありません。


アクアリウムの世界では、この作業を水を作ると言います、水が出来てから魚を飼うのが望ましいです。



↑写真はアンモニアテスター

水槽の水を入れて薬剤を混ぜると(アンモニア濃度によって色が変わります。
小学校の理科の実験でやった、リトマス試験紙の様な物です、他に亜硝酸テスターもあります。
最近ではデジタルの物も出てます。


すっかり濾過バクテリアが定着して、(アンモニア)、(亜硝酸塩)濃度が高くならなくなったら、水換えは3が月に1度程度で済みます。

硝酸塩は無害ですが、硝酸塩濃度が高くなると、富栄養化現象になって水槽内に藻、苔が生えやすくなるので定期的な水換えは必要です。


砂の掃除は
糞尿、エサの食べ残しなど水槽の底に沈殿します、定期的に掃除が必要です。
砂掃除専用の道具もペットショップで販売されてます。



砂、フィルターを掃除する時の注意点、カルキの入った水で洗浄しないでください、せっかく繁殖した濾過バクテリアが死滅します。
砂掃除、フィルター掃除、水槽の水換えは、日をずらして行なってください。


【照明】
ウナギは光を嫌うので照明は要りません。
水槽の水に墨汁などを入れて、わざと濁らせる方法もあります(観賞になりませんが)。


【エアー】

ウナギに酸素を供給する為と、濾過バクテリアに酸素を供給する為に必要です。
水中に酸素が溶けやすい、細かい泡の出るタイプが望ましい!


【水温】
水温管理は大事!
常に水温計を見て異常が無いかチェックしてください。

熱帯魚ではないので、水をで温めなくても死にませんが、低温だと病気が発生するリスクが高くなります、
白点病、26℃以下で発病
水カビ病24℃以下で発病
白雲病24℃以下で発病
ですので、27℃以上にする事を、お勧めします。

【注意】
低温で必ず発病する訳ではありません。
白点病の病原虫は27℃以上の水温で死滅するのでは無く潜伏状態になっていて水温を下げると、活動を再開する場合があります。






真夏の高温には注意が必要で、水温が高くなると消費酸素も増えます。
水温32℃を越えると、ウナギが弱ったり、死んだりします。
ある一定の温度を越えると、スイッチが入りファンが回って水温を下げてくれる機械も販売されてます。



夏場は27度〜30度近くあったけれど元気でした!





【エサ】
エサはペットショップなどで売っている、肉食のナマズ(キャット)系のエサ(沈むタイプ)がよいでしょう、最初はなかなかエサを食べませんが、慣れると食べる様になります。
大きいウナギ程、天然期間が長く、慣れるのに時間がかかります。
なかなか慣れないでエサを食べないでいると心配になりますが、ウナギはエサを食べなくても生きています、1年半エサ無しで生きたと実験結果もあります。



↑慣れると手からエサを取る様になります。




養殖ウナギ用のエサは栄養が有りすぎて、直ぐに大きくなってしまいます。
採取してきたエサは病原菌、寄生虫が付いている場合があるので、煮沸消毒、乾燥消毒をしてください。
冷凍するのも手ですが、冷凍エサは寄生虫は防げますが病原菌は防げません。

青イソメとか釣り餌は、あげないほうが良いと思いますよ。
釣り餌は保存性を良くするために成長抑制ホルモンに漬け込んで代謝を抑えているそうです。
ウナちゃんが成長しにくくなったり変な病気になる可能性もあります。




【隠れ家】

ウナギは大きい個体が小さい個体をいじめるので、大きさを揃えて飼育してください、同じ大きさの個体でもケンカをするので隠れ家(塩ビパイプなど)を沢山入れてあげます、(ウナギの数以上)。
ウナギは極度に臆病なので、隠れ家に入ると気持ちも落ち着くみたいです。






もしくは、砂を入れてあげると、砂の中に潜って顔だけ出して辺りの様子を伺っています。
砂はサンゴ砂がベスト!
細かい穴が空いているので濾過バクテリアの住処にもなります!





ハサミの柄の輪っかにウナギが頭突っ込んでる事が多いです。
ハサミの柄は水の中層あたりにぶら下がっているので、首つりみたいな状態になってます。
どうやら筒でなくても、輪っかであればとりあえず頭突っ込んどく、みたいな習性があるっぽいです。






【ウナギを太らせて食べる為の飼育方法】

水温は30度がベスト!
養鰻所では、30度に設定してる所が多く、中には32度に設定している所もあります、
温度が高いとウナギの活性が高くてエサも沢山食べ、早く大きくなり病気にもかかりにくくなります。

養鰻所のエサはウナギを太らせる為にメーカーが頑張っているので、養鰻所のエサがオススメです。
天然では【シラスウナギ】から、成魚になるのに5年以上かかるのに養鰻所では半年〜1年半で出荷サイズになります。


















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