水生植物の移植


日本の河川では、洪水対策、農地確保などの為に、蛇行していた川を真っ直ぐにして、岸に生えていた水生植物を刈り、コンクリートで覆いつくす護岸工事が行われています。

蛇行していた川を真っ直ぐにする事で、水面と大気が接している部分の面積が減り、水中への酸素供給量、【BOD(生物化学的酸素要求量)】の低下!
水の流れが急になり、水質浄化能力の低下に!

水生植物を刈り、岸をコンクリートで覆う事で、水中への酸素供給量の低下、水質が悪化し、エビ、小魚、昆虫、小動物が減りウナギの餌が激減!
ウナギの隠れ家も減り、ウナギの住みにくい環境に!



水面にアシ、ヨシ、ハス、などの水生植物が群生すると、水中に酸素を供給する、水の流れが緩やかになる!
有機性バクテリアが増え、水質が浄化され、多くの生き物が集まってきて、ウナギの餌である、エビ、小魚、昆虫、小動物も増え、ウナギの隠れ家にもなります。

水生植物を植えて、定着すると、その後人間が手を加えなくても、自然に群生して、生き物の宝庫になります。
水生植物は、水中の窒素、リンなども吸収してくれます、植物は二酸化酸素を吸収して酸素を出してくれるので、地球温暖化問題にも貢献してくれます。


【注意】水生植物は冬になると一斉に枯れて、腐敗し沈殿します、腐敗する前に人間の手で刈り取ってやらないと、水質が以前より悪化します。


↑ヨシの群生




↑ハスの群生




【ハスの植え方

基本的にハスは種で増えるのでは無く、蓮根【レンコン】で増える植物、1株の蓮根【レンコン】から数千株にまで増え群生する!
毎年、花を咲かせて種を付けますが、種は流されて自力で発芽する事は少ない!
ハスの種は、皮が硬くて乾燥に強く、長い間休眠状態で過ごします、2000年前の地層から発見された、古代ハスの種が発芽した事は有名!






秋口にハスの種を収穫して、保存しておく。




保存しておいた種を、春先~初夏、水でふやかします。




一晩、水でふやかしたら、外側の黒い皮に傷を付けて中に水を浸透させる、
楕円形の先の部分で、出っ張りの無い方をラジオペンチなどでパチンと切り取ってください、穴を開けるだけでもOK、
この部分は空洞になっているので、中身を傷付けてしまう事はありません。(中身が傷付いても問題ありません)
間違って反対側の出っ張っている部分を傷付けても、構いません(発芽が多少遅れます)

水でふやかさないと、硬すぎて傷を付けられ無い!




↑ラジオペンチなどでパチンと!




↑尖っている部分は中が空洞になってます、左右どちらでも構わない。




種に傷を付けてから、さらに一晩水でふやかします、すると種が1.5倍くらいに膨らむ、生命スイッチオンでしょうか?
(直ぐ植えるのであれば、水でふやかなさなくてもよい)


↑左が傷を付けた種、右が傷を付けていない種。
、傷を付けると、中身が水を吸って膨張します。







種が膨らんだら植え付け、植える場所は、水辺間間際なので、植えると勝手にふやけるので、ふやかす工程は無くても構い。


↑植え付け前(近所の川)!






↑10㎝位の穴を掘って、種を埋める!







↑地面に種を置いて、上から棒で泥の中に押し込んでやっても良い、手の届かない所には便利。






数日で発芽します。



↑植え付けた1年目はヒョロヒョロしていて頼り無いですが、数年で群生していきます!






ハスの根っこは、蓮根(レンコン)!
食べられます、実も食べられます、花もキレイで一石三鳥!






ハスの移植には、蓮根(レンコン)を泥の中に埋める方法もあります。








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